インド神話の神々の紹介(前編)

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インド神話は、インドと周辺地域で古くから伝わる神話で、ヴェーダ神話、ブラーフマナ・ウパニシャッド神話、叙事詩・プラーナ神話に大別されます。ヴェーダ神話は自然神崇拝が中心で、ブラーフマナ・ウパニシャッド神話は創造神プラジャーパティを中心に展開し、叙事詩・プラーナ神話は『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』に代表されます。三大神、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァが中心的な存在で、彼らは様々な物語で重要な役割を果たしています。インド神話は、仏教を通じてアジア全体にも影響を与えています。

“破壊と再生の神”シヴァ

シヴァはヒンドゥー教の主神の一人で、「吉祥者」とも呼ばれ、死と再生の神として知られています。特にシヴァ派では最高神とされ、破壊と創造の力を持つと信じられています。彼は瞑想と芸術の守護神でもあります。シヴァは「リンガ」という象徴と共に表現され、第三の目を持つと言われています。彼にはパールヴァティーなどの妃神がおり、これらの女神と一体化して神話が語られています。

“宇宙の保持者”ヴィシュヌ

ヴィシュヌはヒンドゥー教のトリムルティの1柱で、「維持者、守護者」として知られ、特にヴィシュヌ派では最高神とされています。彼は複数のアヴァターラ、特にクリシュナやラーマとして地上に現れると言われています。ヴィシュヌは通常、青い肌で4本の腕を持ち、パドマ、カウモーダキー、パーンチャジャニヤ、スダルシャナ・チャクラを持つ姿で描かれます。アナンタの上でまどろむ姿も人気で、これは現実が彼の夢に過ぎないという神話を象徴しており、ラクシュミーがよく一緒に描かれます。

“宇宙の創造者”ブラフマー

ブラフマーはヒンドゥー教の創造神で、トリムルティの一部です。彼は四つの顔を持ち、それぞれが四方を向いています。ブラフマーは「絶対的現実」を象徴する神とされ、ビシュヌ、シヴァとともに世界を創造・支配する最高神でしたが、今日ではそれほど信仰されていません。彼は4つのヴェーダを紡ぎ出したと言われ、時に創造神プラジャーパティや宇宙の卵ヒラニヤ・ガルバと関連付けられます。

“知恵と成功の神”ガネーシャ

ガネーシャは、「群衆の主」という意味を持つヒンドゥー教の神で、象の頭と太鼓腹の人間の身体を持ちます。彼は障害を取り除き、財産や学問の神として崇拝され、事業の開始や商業において重要な役割を果たします。シヴァとパールヴァティーの子とされ、パールヴァティーが自身の体の垢で彼を創造したという神話があります。また、シヴァがガネーシャの首を切り、象の首で復活させたという話も人気です。インドでは「富の神様」として広く信仰されています。

“知恵と音楽の女神”サラスヴァティー

サラスヴァティーはインド神話の芸術と知恵の女神で、白い肌と4本の腕を持つ美しい女性として描かれます。名前の意味は「水を持つ者」で、もともとはサラスヴァティー川の化身とされていました。彼女は白い衣をまとい、数珠、聖典、ヴィーナを持ち、白鳥や蓮の花の上に座っていることが多い。創造神ブラフマーの妻としても知られ、言葉と音楽の流れるような美しさと知恵を象徴しています。日本では弁才天として七福神の一柱として親しまれています。

“忠誠と力の象徴”ハヌマーン

ハヌマーンはインド神話の神猿で、風神ヴァーユと天女アンジャナーの子です。彼は変幻自在の能力を持ち、大きさや姿を自在に変え、空を飛ぶこともできます。『ラーマーヤナ』では、猿王スグリーヴァの忠実な従者として、ラーマ王子とラクシュマナを助け、妃シータを探し出す役割を果たしました。ラークシャサ王ラーヴァナの城、ランカーにシータを見つけ、ラーマにその居場所を知らせました。ハヌマーンは今でも民間信仰の対象として人気が高いです。

“ヴィシュヌの化身”クリシュナ

クリシュナはヒンドゥー教の神で、ヴィシュヌの第8の化身として知られ、特にガウディーヤ・ヴァイシュナヴァ派では最高神とされています。名前は「黒い」や「暗い」を意味する。彼は古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』においてパーンダバ軍の友人、軍師として、また『バガヴァッド・ギーター』ではアルジュナの導き手として登場し、神への愛を説きます。クリシュナはモーハナ、ゴーヴィンダ、ゴーパーラなど多くの異名で呼ばれ、その魅力と智慧で知られています。

“シヴァの妻”パールヴァティー

パールヴァティーはヒンドゥー教の女神で、穏やかで優しい性格が特徴です。彼女は破壊神シヴァの妻として、しばしば彼の膝の上や隣に座る姿で描かれます。ヒマラヤの山神ヒマヴァットの娘で、ガンガーの姉妹であり、スカンダとガネーシャの母でもあります。パールヴァティーは元々黒色の肌を持っていましたが、苦行によりブラフマーによって肌が金色に変えられました。彼女はシヴァと共に、愛と家庭の象徴として崇められています。

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