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“芸能と夜明けの女神”アメノウズメノミコト(天鈿女命)

アメノウズメノミコトは日本神話における芸能・芸術・夜明けを司る女神で、神々の中でも特に陽気で大胆な性格を持ちます。アマテラスが天の岩戸に引きこもった際、岩戸の前で官能的な舞を踊って神々を爆笑させ、アマテラスの好奇心を引き出すことに貢献しました。天孫降臨の際には、道を案内してきたサルタヒコとのやり取りを経て縁を結び、夫婦になったとされます。芸能・芸術・縁結びの神として信仰され、「お多福」の原型とも言われます。現在は椿大神社(三重県)や宮崎県などで祀られています。
“海と嵐の道案内の神”サルタヒコノカミ(猿田彦神)

サルタヒコノカミは天孫降臨の際に天孫ニニギの道案内をした「導きの神」で、巨大な鼻と光輝く目を持つ異形の神です。高天原と葦原中つ国の境界、天の八衢に立ち、ニニギを迎えたことで知られます。その後、アメノウズメとの縁で伊勢の地に赴き、土地の神として祀られました。漁師の守護神としても信仰され、魚釣り中に比良夫貝(ひらぶがい)に手を挟まれ溺れたという神話も残っています。「道開きの神」「導きの神」として交通・旅行の守護神となり、椿大神社が総本社とされています。
“知恵と言葉の神・恵比寿の原型”コトシロヌシノカミ(事代主神)

コトシロヌシノカミはオオクニヌシの子で、言葉・知恵・漁業を司る神です。国譲りの交渉においては、オオクニヌシの使者として現れたタケミカヅチに対し、釣りをしていた中で国譲りに同意する返答を告げた後、船を傾けて海中に隠れてしまいました。この「言葉の力」によって国譲りを成立させた神とされ、占いの神としても信仰されています。「恵比寿様」の原型神とも考えられており、七福神のひとりとして商売繁盛・大漁・縁結びの神として全国に広く信仰されています。美保神社(島根県)が本社とされています。
“医療と醸造の小さな神”スクナビコナノカミ(少名毘古那神)

スクナビコナノカミはオオクニヌシとともに国づくりを行った小さな神で、医療・農業・温泉・醸造(酒造り)を司ります。カミムスビの子とされ、ヒエ(稗)の茎に弾かれて飛んできたという、愛嬌ある登場シーンが伝わっています。オオクニヌシと二人三脚で病を治し、農業技術や酒の製法などを人々に教えたとされ、「国つくりの相棒」として欠かせない存在です。最終的には常世の国(海の彼方の永遠の世界)へ去ってしまいますが、その後も温泉地・薬の神として各地で崇拝されています。
“海原を統べる神”ワタツミノカミ(綿津見神)

ワタツミノカミは日本神話における海の神(海神)で、イザナギの禊から生まれた神々の中の一柱です。海底の竜宮城(わたつみの宮)に住み、海の生き物たちを支配するとされます。山幸彦(ホオリ)が兄の釣り針を探して海に入った際に迎え入れ、娘のトヨタマヒメを妻にしたというエピソードが有名です。この縁から皇室の祖先ともつながり、海上の守護神として漁師や船乗りに厚く信仰されてきました。志賀海神社(福岡県)が全国ワタツミ神社の総本社とされています。
“天孫降臨の皇祖神”ニニギノミコト(瓊瓊杵尊)

ニニギノミコトはアマテラスの孫にあたる神で、地上を統治するために高天原から九州の高千穂の峰へ降り立った「天孫降臨」の主役です。アマテラスから三種の神器(八咫鏡・八坂瓊勾玉・天叢雲剣)を授かり、地上に降りました。海の神の娘コノハナサクヤヒメと結婚しましたが、彼女の美しさに惑わされた際の一時的な疑念のエピソードも神話に伝わります。天皇家の直系の祖先とされる重要な神で、農業・穀物の神としても崇拝されています。霧島神宮(鹿児島県)が主な鎮座地です。
“狩猟と恋愛の英雄神”ホオリノミコト(火遠理命・山幸彦)

ホオリノミコトはニニギとコノハナサクヤヒメの子で、「山幸彦と海幸彦」の物語の主人公です。兄の海幸彦から借りた釣り針をなくし、海の神の宮(竜宮城)を訪ね、そこで海神の娘トヨタマヒメと結婚します。海神から授かった潮を操る珠と知恵によって兄を制し、葦原の支配者となりました。その子供がウガヤフキアエズ、そして初代天皇・神武天皇につながるとされます。山の神・狩猟の守護神として崇拝され、霧島神宮(鹿児島県)でも祀られる重要な神です。
“日本建国の英雄”カムヤマトイワレビコノミコト(神武天皇)

カムヤマトイワレビコノミコトは、日本神話における初代天皇「神武天皇」として知られる英雄的な神です。天孫ニニギの曾孫にあたり、日向(宮崎)から大和(奈良)へと東征の旅を行い、各地の豪族を制して大和国を建国したとされます。その東征の途中、タケミカヅチから剣を授けられ、ヤタガラス(三本足の烏)の道案内を受けたというエピソードも有名です。紀元前660年の即位は「建国記念の日(2月11日)」の由来とされており、橿原神宮(奈良県)に祀られています。


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