2006年公開の映画 ダ・ヴィンチ・コード は、世界的ベストセラー小説を原作としたミステリー作品であり、宗教・歴史・芸術にまつわる数々の“都市伝説”を扱った映画としても有名です。
物語では、レオナルド・ダ・ヴィンチ の作品や、キリスト教史にまつわる秘密、そして古代から続くとされる秘密結社などが登場し、「歴史の裏側に隠された真実」がテーマとして描かれます。
ただし、映画の内容には
- 実際に存在する歴史的事実
- それをもとにした都市伝説
- 映画独自の脚色
が混ざっているため、どこまでが史実なのか分かりにくい部分もあります。
そこでこの記事では、映画の中で語られる「都市伝説的ポイント」を整理しながら、
- 実際に存在する事実
- 歴史的議論や都市伝説
- 映画オリジナルの設定
という形でまとめてみました。
① シオン修道会という秘密結社
■事実
シオン修道会という名前の団体は、実在したことが確認されています。
ただし、現在分かっている歴史では、この団体は1956年にフランス人のピエール・プランタールによって作られた、比較的新しい団体とされています。
そのため、「中世から続く秘密結社」といった主張を裏づける確かな証拠は見つかっておらず、現在では、プランタールが考案した架空の歴史(偽史)とみなすのが一般的な見方です。
■都市伝説
一部では、この団体は実は古代から続く秘密結社であり、
- キリスト教の秘密を守っている
- イエスの血統を守護している
- 歴史上の偉人がメンバーだった
などの説が語られてきました。
また、団体のグランドマスター(指導者)として
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- アイザック・ニュートン
などがいたという説もあります。
しかし、これらは後にプランタール本人が作り出した偽史だった可能性が高いとされています。
■映画での設定
映画では、シオン修道会は
- 古代から続く秘密結社
- 聖杯の秘密を守る組織
- 世界史の裏側で活動する組織
として描かれています。
この設定はかなりロマンのあるものですが、歴史的にはフィクション要素が強い部分です。
② テンプル騎士団の財宝と秘密
■事実
**テンプル騎士団**は12世紀に成立した実在の騎士団です。
十字軍の時代に
- 巡礼者の護衛
- 金融業務
- 軍事活動
などを行い、ヨーロッパでも大きな影響力を持つ組織になりました。
しかし14世紀、フランス王 フィリップ4世 の命令によって団は弾圧され、最終的に解散させられました。
■都市伝説
騎士団が突然崩壊したことから、
- 巨大な財宝を隠した
- 秘密の宗教知識を持っていた
- 聖杯を守っていた
など様々な伝説が生まれました。
ただし、これらの多くは確かな証拠がない歴史ロマンの領域とされています。
■映画での設定
映画では、テンプル騎士団は
- 聖杯の秘密を守る存在
- シオン修道会と関係がある
という形で物語の背景として登場します。
このあたりは史実と都市伝説をミックスした設定と言えるでしょう。
③ 「最後の晩餐」に隠された秘密
■事実
**最後の晩餐**は、
レオナルド・ダ・ヴィンチが1495年頃に制作した壁画で、キリスト教史上最も有名な宗教画の一つです。
この作品には
- イエスと12人の弟子
- 裏切りを予言する場面
が描かれています。
■都市伝説
この絵には様々な都市伝説があります。
代表的なものが、
イエスの右側の人物は弟子ヨハネではなくマグダラのマリアではないか
という説です。
また、
- イエスとその人物の間に「V字」がある
- 男女を象徴している
などの解釈も語られています。
しかし、美術史の研究では
その人物は伝統的に ヨハネ とされており、マグダラのマリア説は都市伝説の一種と考えられています。
■映画での設定
映画では、
- 右側の人物は マグダラのマリア
- イエスとマリアは夫婦だった
- 聖杯とは「血統」を意味する
という大胆な解釈が提示されます。
これは非常に刺激的な設定ですが、歴史学や神学の主流説ではありません。
④ 聖杯の正体
■事実
**聖杯**とは、伝説上
- イエスが最後の晩餐で使った杯
- キリストの血を受けた器
とされる神秘的な遺物です。
しかし、実物の存在については確かな証拠はありません。
■都市伝説
中世以降、聖杯は
- 奇跡の力を持つ
- 永遠の命を与える
などの神秘的な伝説と結びつきました。
また「聖杯は実は物ではない」という説もあります。
■映画での設定
映画では、
聖杯とは杯ではなく
イエスとマグダラのマリアの血統
という設定になっています。
これは非常に有名になった解釈ですが、歴史的根拠はほとんどなく、物語上のアイデアと言われています。
まとめ
映画 **ダ・ヴィンチ・コード は、
宗教史・芸術史・秘密結社などのテーマを組み合わせた知的ミステリー作品です。
作中では、
- シオン修道会
- テンプル騎士団
- 最後の晩餐
- 聖杯伝説
など、実際の歴史や伝説が数多く登場します。
ただし、それらの多くは
- 史実
- 都市伝説
- フィクション
が混ざっているのが特徴です。
だからこそ、この作品は単なるミステリー映画というよりも
「歴史の謎や都市伝説を考えるきっかけになる作品」と言えるかもしれません。
映画を観たあとにこうした背景を調べてみると、物語の面白さがさらに深まるのではないでしょうか。

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